本物のペルシャ絨毯とは
ペルシャ絨毯とは、イラン各地で手織りされた絨毯のことです。 ウールやシルクの毛足を、経糸に一目ずつ手作業で結びながら織り上げます。
そのため、見た目がペルシャ絨毯に似ていても、イラン以外で織られたものや、 機械で織られたものは、本来の意味ではペルシャ絨毯とは呼びません。
ペルシャ絨毯は種類が多く、価格にも幅があります。 表示だけで判断しにくいときは、産地、素材、織り方について、 販売店の説明を確かめることが大切です。
ペルシャ絨毯を見分けるポイント
イランで織られているか
ペルシャ絨毯の基本は、イランで織られた手織り絨毯であることです。 イラン以外の国にも優れた手織り絨毯はありますが、ペルシャ絨毯とは伝統や織りの背景が異なります。 見た目や模様が似ているものもあるため、購入するときは、 まず産地がイランであるかを確かめることが大切です。イラン産ペルシャ絨毯の商品一覧へ
手織りか機械織りか
ペルシャ絨毯は、経糸に一目ずつ毛足を結びながら、手作業で織り上げられます。 機械織り絨毯は、整った見栄えや、正確で乱れのない織り目、 裏面の糊の有無などで見分けられることもあります。 ただし近年はとても精巧になり、見た目だけでは判断しにくいものもあります。 疑問に思ったときは、手織りか機械織りかを販売店に確認することをおすすめします。
ウールや天然シルクなど、素材が明確か
ペルシャ絨毯は、伝統的にウールやシルクを用いて織られます。 経糸にはコットンが使われることも多く、いずれも天然素材です。
購入するときは、パイル(毛足)と経糸に何が使われているかを確認すると安心です。 特にシルクのような光沢を持つ絨毯では、天然シルクなのか、 シルク調の素材なのかを確かめることが大切です。
産地名や工房名だけで判断しない
ペルシャ絨毯には、ナイン、タブリーズ、イスファハン、クムなど、 よく知られた産地名があります。 また、有名工房や織り手の名前が評価されるものもあります。
ただし、産地名や工房名はあくまで手がかりのひとつです。 同じ名前で呼ばれる絨毯でも、素材や織り、仕上げには違いがあります。 名前だけで判断せず、絨毯そのものを見て選ぶことが大切です。ペルシャ絨毯を産地から選ぶ
ペルシャ絨毯選びで気を付けたい例
ペルシャ絨毯の中には、「〇〇風」と呼ばれる見た目を似せた絨毯や、 産地・工房名・素材の表記だけでは判断しにくいものがあります。 悪意のある偽物はごく一部ですが、名前や表示だけで選ぶと、 思っていたものと違うこともあります。 ここでは、ペルシャ絨毯を選ぶうえで、知っておくと役に立つ主な例をご紹介します。
ペルシャ絨毯風の、外国産手織り絨毯
イラン以外の国で織られた絨毯が「ペルシャ絨毯」として販売されることが時々あります。 手織り絨毯はイラン以外の国々でも数多く織られ、オリエンタル絨毯と総称されます。それぞれに伝統と良さがありますが、織りや特徴はペルシャ絨毯とは異なります。 「ペルシャ絨毯」の方が高値がつくため名前が借りられることは昔からありましたが、現在ではペルシャ絨毯として販売する目的で、業者が模様を真似て織らせるものもあります。 パキスタン、アフガニスタン、インド、トルコなどで織られ、同じ手織りのため絨毯業に携わっていないと見分けることは困難です。
イラン国内で織られる、「ギャッベ風」手織り絨毯
インド産のギャッベ風絨毯、インドギャッベが市場に定着して久しいですが、イラン国内で織られる「ギャッベ風」絨毯もあります。 これはカシュガイ族の織り手が年々減り、ギャッベの需要を満たすことが難しくなってきたことが理由のひとつに挙げられます。 多くはギャッベ本来の織り方とは異なり、風合いや耐久性は異なることがあります。 ギャッベ風についてもっと詳しく
見た目を古くした、「ヴィンテージ風」ペルシャ絨毯
使い込まれた古いペルシャ絨毯は独特の美しい趣きで人気がありますが、仕入れにも手入れにも手間がかかる上、数も限られています。
ヴィンテージ絨毯が貴重になりつつある現在では、新しい絨毯を加工して古く見せかけ、販売されることが増えています。
フサ部分はスチールブラシでこすってほぐし、傷んだ状態にして汚れた色を付けます。毛並みは薬品で洗って色を落として手触りをやわらかくし、長年踏まれた雰囲気を作ります。
見た目は良いのですがウールの芯が傷んでしまうためにへたりやすく、長持ちしません。
家庭織り絨毯やトライバルラグのタイプに多く、しばしば「オールドギャッベ」の名前で販売されています。
毛並みの手触りや織り目の状態でプロには一目でわかるものなので、絨毯の知識のある販売店や専門店での購入をおすすめします。
有名産地の名前を借りる
ペルシャ絨毯にはいくつかの歴史のある優れた産地があります。その産地の名がつけば品質も間違いないと思われがちですが、実はそうでもありません。
別の町で織られた絨毯に、有名産地の名だけがつけられることもよくあります。
似たデザインの絨毯の産地名を変えて販売することもあれば、職人代のより安い地域に下請けのように発注されるものもあります。
よく見られるものにはナイン産(タバスやハマダンで「ナイン模様」で織られる)、クム産(マラゲやザンジャンの絨毯にクムの名前がつく)などがあり、マシャドの工房ではケルマン、カシャーン、イスファハーンなどの模様が数多く織られています。
最近ではカシュマル産が「織り密度の低い30ラッジのタブリーズ産」と称して販売されることもあります。
ハマダンでもザンジャンでも、それぞれの産地では素晴らしい伝統的な絨毯が織られているのですが、「下請け」絨毯の場合は安価に仕上げるために材料も染めも異なることが多く、その産地本来の品質は生かされていません。
ただし、中には模様が似ているために単に間違えられているものもあります。また、産地が正しく表記され価格さえ妥当ならば、ほとんどの手織り絨毯は十分に魅力があるのです。
名前に惑わされず、絨毯そのものに目を向けることが大切です。
有名工房の名前を入れる
有名工房のペルシャ絨毯の多くには工房名や織り手の名前などが織り込まれます。 ブランドとしてより高値がつく傾向にありますが、それゆえにマークだけを後から織り込む偽物も存在します。 後付けのマークには粗雑な出来栄えのものもありますが、多くは専業のプロの手で織り込まれるため非常に精巧で、経験の長い絨毯業者でないとまずわかりません。 主にコレクター向けの高額なペルシャ絨毯の問題で通常は気にする必要はありませんが、「名前=品質」とは限らない一例です。
手織りと見分けのつきにくい機械織り絨毯
近年は機械織り絨毯の技術が進み、見た目だけでは手織りのシルク絨毯と 区別しにくいものもあります。 イランで作られる機械織り絨毯も増えているため、表示の面からもペルシャ絨毯と紛らわしくなっています。
こうした絨毯には、「バンブーシルク」や「天然素材」などの表記が 使われることがあります。 「バンブーシルク」は竹などの植物を原料としたセルロースを化学的に加工した再生繊維で、レーヨンやヴィスコースに近い素材です。 見た目や手触りがなめらかで、価格も比較的高いものがあるため、 天然シルクの手織り絨毯と混同しやすい点に注意が必要です。
わかりにくい場合は、販売店に 「手織りのペルシャ絨毯か」 を確認できると安心です。実際の手織りペルシャ絨毯を見る

