後悔しないペルシャ絨毯の選び方
使う場所や用途を決める
「どこで使うか」が決まっていれば、適したサイズや厚みから選びやすくなります。
敷く予定の床のサイズやお部屋の略図を店舗に持っていくのが一番ですが、ソファーやテーブルのサイズ、玄関ならば横幅を覚えておくと目安になります。
また、「座ってくつろぎたい」「ペットの滑り止め」「防音のため」などの目的を伝えると、適した種類を提案してもらいやすくなります。
自分の好みを見つける
初めてお店に行くと、どんな模様や色があるのか分からないもの。まずは色んな絨毯を見て、自分の「好き」を探してみてください。
気になる色や柄を伝えれば、似たタイプの絨毯を何枚か紹介してもらって見比べることも出来ます。
予算について
あらかじめおおよその予算を決めておくと、数多くの絨毯の中から選びやすくなります。
気に入った絨毯が予算を少し超えている場合は、サイズを小さくしたり、似たデザインで価格を抑えた絨毯を紹介してもらえる事もあります。お気に入りが見つかったら、遠慮せず相談してみてください。
価格と品質の関係について
ペルシャ絨毯の価格は基本的に、素材や産地、織りの細かさなどに左右されます。 ただし、裏面に表れない織りの密度やシルク絨毯の内部素材など、目に見えない要素も多く、品質の見極めは非常に困難です。 また、間に入る業者の数や市場での人気も価格を左右するため、「高いから良い」とは限りません。 見た目や質感など自分の感覚を大切にし、疑問を覚えたら販売店に納得するまで説明してもらうことが重要です。
信頼できる販売店とは
最も大切なのは、販売店選びです。ひとつひとつの質問に知識や経験をもとに丁寧に答えてくれることが信頼の目安になります。 購入後も相談できる窓口があり、クリーニングや補修にも対応してくれることが、長く安心して使うための大切な要素です。
一生ものは心で選ぶ
お客様とお話していると、「ペルシャ絨毯が欲しいけれど、勉強するほどわからなくなっていく」そう仰る方によく出会います。 調べるほど知識が増えていったとしても、「誰もが認める良い絨毯」が、自分にとっての一番とは限りません。 迷路にはまってしまったら、肩の力を抜いてみてください。どんな絨毯が好きですか?
インテリアは変わり、暮らしも変わります。けれど、ペルシャ絨毯は世代を超えて使えます。だからこそ最後の決め手は「好き」かどうか。正解を探すより、心から惹かれる一枚を選ぶこと。それが後悔しない絨毯選びのいちばんの近道です。
選ぶときに気になること一覧
選ぶ決め手は自分の好み…とはいえ決して安価ではないペルシャ絨毯、本当に大丈夫?というお気持ちももっともです。よく頂くご心配ポイントを下記にまとめました。
品質の見分け方は?
有名産地の名がついていても品質には幅があるため、産地名は参考程度に。織り目の密度や整い方がおおよその品質の目安となります。なお、家庭織り絨毯(トライバルラグ)では結び目よりも、生き生きとした色模様の魅力や毛並みの手触り、希少性の方が重要視されます。
ウールとシルクはどちらがいいの?
敷物として日常的に使うには、厚みがあり実用的なウール絨毯がおすすめです。シルク絨毯は薄手でより鑑賞性が高く、ポイント飾りや玄関マットに適しています。
見た目だけ細かいシングルノット
多くのペルシャ絨毯は「ダブルノット」と呼ばれる複雑な絡め方で毛足を結ばれますが、より単純な「シングルノット」という技法もあります。 ダブルノットは織りの密度が濃いため重みがあり耐久性も高い一方、シングルノットは少し軽めでやわらかな質感に仕上がります。 シングルノットの方が全体に安価ですが、裏面の織り目は一見とても細かく見えます。 間違えたような高い値段がついていることも稀にあるので、疑問に思ったら販売店に確認してみてください。
「ペルシャ結び」はシングルノットのこと?
よく混同されますが違います。毛足の結び方にはトルコ結び(対象結び)とペルシャ結び(非対称結び)の2種類がありそれぞれに特徴がありますが、 どちらも十分な耐久性があり、品質に及ぼす影響もないため気にすることはありません。
オールド絨毯で気を付ける点は?
オールド絨毯の場合、補修や汚れの有無、フサや織り端の状態を確認します。端部分は擦れやすいため、かがり直してあるものが理想です。 やっかいなのは虫食いで、パイルの間の縦糸や横糸が食われていてもプロの目でないと外からは見えません。 経年変化はオールド絨毯の醍醐味ですが、耐久性にかかわる構造部分は専門店のチェックが入り、しっかりと手入れされている必要があります。
オールド絨毯”風”には注意
新しく織られた絨毯を古く見せかけた絨毯があります。 フサを汚して傷め、毛並みは薬で洗って色を落とし、長年踏まれた雰囲気を作ります。 見た目は良いのですがウールの芯が傷んでしまうためにへたりやすく長持ちしません。 オールドギャッベをはじめ家庭織り絨毯に多く、プロにはすぐにわかりますが、普通は見分けられないのでお店を信頼するしかありません。
色や模様の決め方
好みで選ぶのがおすすめですが、色模様による効果もあります。枠の色が濃い絨毯は引き締まって見え、オールオーバー模様には空間を広く見せる効果があります。 シンプルでモダンな印象にしたい場合は、模様の少ないギャッベが良く映えます。
シルク絨毯か機械織りか
最近は機械織り絨毯の発達がめざましく、本物のシルク絨毯と見分けのつかないものもあります。 多くはレーヨンなどの植物を原料とした化学繊維(「バンブーシルク」など)で作られ、イランで製造されたものは「ペルシャ絨毯」と表示されることもあります。 価格もそれなりに高価なため混同しやすく、わからない場合は販売店に、天然シルクを使用した手織りペルシャ絨毯であるかを確認してください。
知れば知るほど疑問も増えて、わからなくなっていく・・。そんな時は1枚1枚の絨毯そのものを眺めて、心の響きに耳を澄ましてみてください。
気になることがあれば、小さなことでも遠慮なくご相談下さいね。店舗でもメールでも、お待ちしております。