ペルシャ絨毯の種類は、想像以上に幅広い——。高級な芸術品のイメージがあるペルシャ絨毯ですが、産地や織り手によってその種類は実にさまざま。 色柄はもちろん使い心地や価格帯まで大きく変わり、用途や好みに合わせて選ぶことができます。
ペルシャ絨毯の種類:工房織りと家庭織り
ペルシャ絨毯は、もともと遊牧民や村で生活道具として織られ、その後都市の工房に持ち込まれて産業としての発展を遂げました。 今日ペルシャ絨毯といえばタブリーズ、ナイン、クムなどの工房で織られるものがまず思い浮かびますが、 小さな村や部族の家庭織り絨毯もイラン各地で織り継がれ、多彩な魅力を放っています。
洗練された都市工房の絨毯
工房ではデザイナーの下絵に忠実に、上質な素材を使用して高密度に織り上げられます。宮廷の庇護により発展・確立された技術を受け継ぎ、多くは輸出向けに作成されます。 端正で洗練された美しさを魅力とし、産地ごとにデザインに特徴があります。 (例:タブリーズ・イスファハーン・ナイン・カシャーンなど。)

家庭で織られる昔ながらのペルシャ絨毯
家庭織りは土地や部族の伝統を守りながら個性豊かに織り上げられます。身近な自然や暮らしを映す素朴で伸びやかな意匠が多く、下絵がないので基本的に一点もので、ユニークな色模様を魅力とします。 ざっくりと素朴な織りから工房織りに負けない緻密な目運びのものまで厚みや手触りもさまざまで、価格にも幅があります。(例:ゴルトゥーグ、サルーグ、シーラーズなど。ギャッベもこの種類に含まれます。)

よくあるご質問
部族絨毯とは何ですか?
村や各部族が織る伝統的なペルシャ絨毯です。トライバルラグとも呼ばれます。
ギャッベとペルシャ絨毯は何が違いますか?
ギャッベもペルシャ絨毯の一種ですが、際立つ特徴のためにあえて”ギャッベ”と呼ばれています。