
手織ラグの店クラフトワーク

ギャッベを特別なものとしているのは、何といってもそのアート性の高いモチーフと、深く美しい色彩です。 ギャッベには下絵がなく、織り手が心に思うまま、即興で織りあげていきます。
その題材は遊牧生活の舞台である美しい自然、織り手の毎日の生活や身近に起こった出来事などであり、 ときにはその願望をギャッベに託して表現することもあります。 織り手の人となりや世界観を垣間見せるギャッベはまさに絵画の性格を持つものであり、同じギャッベは世界にふたつとありません。
映画「ギャベ」の監督、モフセン・マフマルバフ氏は言っています。「 羊飼いが刈り取るごく普通の羊毛、少女が砂漠から摘んでくるどこにでもある草花の色、そして織り手のインスピレーション、それがギャッベだ。 イランの民族がその土地にあるものを使って作り、自然の中にあるものを自然の中で使うにすぎない。 ギャッベは真に、遊牧民の絨毯である。」
イラン国内で近年ようやく注目されるようになってきたギャッベは、 ヨーロッパでの関心や紹介を経て、今や世界中で愛される絨毯になりました。 一方、近代生活の影響の中で昔ながらの遊牧生活を続ける遊牧民は年々減っていますが、 ギャッベの伝統は民族の財産として脈々と受け継がれ、現在も昔と同じ方法で織り続けられています。
ギャッベはデザインも特徴も、典型的なペルシャ絨毯とはあらゆる面で異なります。 その特有の魅力に光があてられ、世界中から引く手あまたとなった一方で、昔ながらの遊牧生活を続ける遊牧民も、昔ながらの方法で織られる生粋のギャッベも年々減っています。 ギャッベ絨毯の伝統が民族の財産としてこれからも受け継がれてゆくことを、私たちは心から願い、微力ながらも共にあゆんでゆきたいと思います。