ペルシャ絨毯　ビドガネ産（オールド／ヴィンテージ）

品番　cp21299
品名　ペルシャ絨毯（オールド）
サイズ　約190×150cm 厚さ　1cm弱
※サイズはフサを含みません
素材　ウール
織り　手織り
原産国　イラン、ビドガネ産
送料　無料　
価格　197,000円（税込）

大きな文様を艶やかに浮かべるえんじも額縁のように太く優美な枠模様の藍も、細やかな花々が煌めいているように見えます。ビドガネという小さな村で1950年代に織られた古いペルシャ絨毯です。

イラン北西部のごく小さな村、ビドガネでは古くから家庭の手工芸として絨毯が織られてきました。市場ではしばしば、ほど近いビジャーやザンジャン、ときにはハマダン産とまとめられ、個別の名前を与えられないこともあるビドガネですが、幾何学デザインの大胆な表情と端正な印象を併せ持つ、独自の魅力を放っています。

アーモンド形のメダリオンは羊の角を象る白い突起に包まれて、家を守るサソリの形を煌々と照らし出しています。その上下にはこの地方特有の方形のメダリオンが連なり、端麗な花や葉を包む輪郭はやはり力強い矢の形を四方に突き出しています。

メダリオンの背後からはいくつもの大きな葉が左右に向かって水平に力強く萌え出すと思えば、その先から垂直に咲き茂る花や葉先、放射線状に広がる無数の枝葉が、生き生きと動的なシルエットでフィールドを満たしています。

この絨毯では印象的な中心部と同じくらい、ともするとそれ以上に、枠模様が強い魅力を感じさせます。ゆったりと幅をとられた枠は赤と白の細枠に縁取られた深い藍色に、独特な花や葉を茂らせています。丸い花びらを2重に広げる大きな花やかっちりとした輪郭の葉やつぼみ、細い枝に咲き誇る小花は直線的に描かれながらもどこか有機的で柔らかく、浮き沈みする静かな彩りと共に幻想的な表情をたたえています。

えんじに藍、紫に緑に茶と色濃く配された色彩は、長い時の流れにほの褪めたピンクや水色の明るさやほの渋い色むらと相まって、繊細な抑揚を潜ませています。大きな文様の隙間に散りばめられた小花や方形、輪郭のそこここに織り込まれた白は遠目にはいちめんに明るく際立って、素朴な織り地は不思議なほど艶めいて見えます。

太くしっかりとしたコットンの縦糸に織り込まれた毛足は一本ずつにボリュームがあり、ほこほことした毛並みを重ね合わせています。よく踏まれた毛並は艶を得てよく育ち、撫でるとなめらかに粒めく手触りの中に刈り込みの素朴な起伏や縦糸の縛り目をちらほらと感じます。織り地は全体にくにゃりとしなやかな質感で、薄手ながらも足を乗せるとしっとりとした厚みに支えられます。