オールドキリム アゼルバイジャン地方

    

品番 k15699
品名 オールドキリム
サイズ 約200×145cm
素材 ウール
織り 手織り
原産国 イラン、アゼルバイジャン地方
送料 無料 
価格 SOLD

ほの褪めたからし色のなかでひたひたと寄せ返す赤みと青み。細い糸の描き出すきびきびとした文様のリズムは混ざり溶け合う色彩にゆらりと解きほぐされて、波打ちながら漂う淡い流れに同化してゆきます。

イラン北西部、アゼルバイジャン地方で1960年代に織られたオールドキリムです。織りあがり当初はより長い大きなキリムでしたが、傷んだ部分を除き、美しく状態の良い部分を整え直しました。

重なり合う細い帯を埋める「く」の字模様は、一面にちらちらとした流れを描き出しています。うねうねと渦を巻くような矢や花の文様はよく見れば、どちらもくるんと曲がった羊の角の形を隠しています。大小の文様は帯模様の中央で左右に向きを変え、気まぐれに入れ替わる配色とともに縞模様は揺らめくさざ波に満たされてみえます。

コットンの縦糸に細いウールの糸を細やかな目運びで織り詰め、小さく整った織り目が流れるような文様を繊細に浮かび上がらせています。階段状に織り出される輪郭の無数のスリット(色糸の切り替え部分に生じる隙間)は時に隙間を見せますが、やわらかな織り地の表情によく馴染んでいます。長い時を経て色褪せ、ときに混ざりあう染め色はそこここに思いがけない濃淡をくゆらせて、絡み合うような配色に豊かな変化と趣きを加えています。

薄手の織り地はくたりとしなやかな質感ながら、糸の重みでぱたりとよく床に馴染みます。表面は使い込まれてなめらかによく育ち、撫でるとさらりとした手ごたえと、縞模様の間に織り込まれた飾り織りの小さな膨らみを手のひらに感じます。

左の織り端には擦り切れた横糸の補修跡があちこちに見られ、中央付近には指の先ほどの補修跡がありますが、見た目は模様に紛れて目立たず、使用に差支えはありません。下の端はほぼオリジナルのままですが、上下共に横糸を少しほどいて縦糸のフサを出しなおしてあります。仕入れ後には2度の洗浄作業を経てから、4辺の端を水色の糸で補強しました。

ダイニングテーブルやソファーセットの足元などに。遠目に広がる淡く静かなグラデーションとウィットに富んだ細部、しなやかな糸の風合いが何とも美しいオールドキリムです。

オールドキリム リビングサイズ