色濃い緑の艶やかな枠模様の向こうに明るく広がる草原の景色。ぱらぱらと霧めく点描の流れがゆったりと隔てる遠くと近くにはそれぞれに、ヤギたちと花々の列がふわりと浮かび上がっています。
羊毛の褐色を深く沈める縁の緑はかすかなビリジアンの青みと共に、しっとりとした濃さで大地を爽やかに照らしています。若葉の混ざる緑に黄や淡い染めむらを混ぜる草色は、やはり羊毛の茶や栗色をゆらりと透かし、鶯色や枯草色、モスグリーンの渋く豊かな色むらを細やかに溶け合わせています。
枠色から流れ出たような濃い緑の斑点はほんのりと濃いグラデーションに乗って、萌え出る春の草の芽のように大地の息吹を感じさせます。その向こうとこちらに織り込まれたヤギたちはどちらも中央に頭を向け、花々は天地を気にせず朗らかに並びます。