ペルシャ絨毯 タブリーズ産
品番 cp20337
品名 ペルシャ絨毯
サイズ 約210×150ｃｍ 厚さ 約７ミリ
※サイズはフサを含みません
素材 ウール・シルク、縦糸コットン
織り 手織り
密度 49万ノット/平方メートル（50Raj）
原産国 イラン、タブリーズ産
送料 無料
価格 SOLD
夜色の藍に照らされてうねり絡み合う、しなやかな曲線。あでやかなメダリオンを包んで咲き誇る花々は周縁では淡く軽やかに重なり、百花繚乱の春の景色はふわりと膨らむ花霞に包まれています。
イラン北西部の古都、タブリーズの工房で織られたペルシャ絨毯です。東西交易の要に位置し、数々の遺跡で知られるタブリーズの町は絨毯の都としても古くから花開き、長い織りの歴史を誇っています。優れた品質と強い耐久性を特徴とするタブリーズの絨毯はそのデザインも魅力に溢れ、上質で美しい絨毯は世界中で愛されています。
オーリヤ模様と呼ばれるこのデザインは、上下に装飾を連ねたメダリオンを中心に華麗なアラベスク模様を広げ、コーナーにも枠模様にもこぼれんばかりの花々が咲き誇ります。やわらかに開く花びらの甘い香りを連想させるピンクやブルーグレーの淡い彩りが多用される中で、この絨毯ではフィールドと織り端を深い藍で満たすことによって華麗な造形と艶やかな色彩をいっそう際立たせています。
枠模様を区切る細い線を除いては、メダリオンの輪郭も波打つようなコーナー模様も全て、とりどりの花や葉、蔓枝の生き生きとした動きで描き出されています。幾種もの花々はどれもスケッチしたように写実的で、緻密な織りが可能とするなめらかな筆致と糸色の繊細な配色が描き出す陰影が、瑞々しい息遣いを映し出しています。吸い込まれそうなほど深くマットな藍を背に遠目には淡く溶け合うピンクに青、緑やベージュはどれもかすかにグレーを帯びて、濃淡の繊細な諧調を入り混ぜています。
文様の随所にはシルクの毛足がふんだんに織り込まれ、蔓枝や葉先、花びらや白く小さな花房を艶やかに彩っています。ウールとは質の異なるシルクの澄んだ色みは陽を受けると朝露のように輝き、角度によっては何とも華麗な黄や水色が織り地いちめんに浮かび上がります。
細くやわらかな毛足は1平方センチあたり約49目の緻密な目運びで織り詰められて、濃くしっとりとした毛並みを立ち上げています。充実した厚みは腰のある弾力を生み、ごく短く刈り込まれながらも指で押すとフェルトのように押し沈み、歩くとほんのりとしたやわらかみが伝わります。細くなよやかなシルクはしっかりとしたウールの毛足の間で沈み込み、表面を撫でるとよく馴染んだなめらかな手ごたえと共に文様に沿った浮彫のような立体感を手のひらに感じます。
上下の端にある毛足とフサの間の平織りには装飾的な毛足が織り込まれ、四つの花飾りの中央にペルシャ語で「タブリーズの織り」と記されています。
薫るようにピンクを沈ませると思えば別の時には目覚めたように色鮮やかに煌めく、ため息の出るほどに美しいタブリーズのペルシャ絨毯です。
