ガラスの中で光を待つワインの濃く芳醇な紫を、背景からくっきりと切り出す羊毛の白い枠。僅かな明るさもふわりと艶めく深くほの黒い空間には、天地から真っ直ぐに萌え出て出会おうとする花々のあでやかな彩りが浮かび上がります。
染めていない素朴なベージュを白く照らし出す紫は、夜の藍に羊毛の褐色、かすかに明るい赤紫を細やかに織り交ぜて、深い奥行きを思わせる静かなグラデーションをくゆらせています。
下に上に伸びて咲き茂る鍾乳石のような植物は5色の茎にとりどりの葉や花を開き、濃い背景に黄やピンク、水色にオレンジの淡く優美な色彩を震わせます。
それぞれのまとまりをよく残した毛足はほっこりとよく詰んで立ち上がり、厚く充実した毛並みを持ち上げています。