眺めるほどに鮮やかさが増す濃く含みのある黄を包む、甘くほの渋いピンク。熟れて凝縮した昼の光を思わせる色彩は互いに溶け合いながら、明るさと温かさを増しています。
左右にはすいと細長い命の木、上下には方形に囲まれた植物がぽつぽつと枝を広げて茶に緑、青にベージュの影めいた色調がすぐそこにある夜の世界を感じさせます。太陽を背に並ぶヤシの木々は地平線に砂漠の広さを、青青とした葉が潤う水を示します。
どの糸色も染め色の濃淡に羊毛の褐色の色むらを透かし、影のように揺らめくグレーがふわりとベールをかぶせたように朧げです。
よく詰んだ毛足はピンクはほこほこと大き目の束を、黄色はより細く密集した束を立ち上げながらどちらも充実した毛並みをたたえています。