濃いカボチャの黄色に染むように浮かぶ抑揚。
オレンジを思わせる鮮やかさの中にはほの渋い羊毛の褐色が光と影を揺らし、大地の上半分はかすかに濃く、下半分はより軽やかに、ふわりとニュアンスを変えて見せます。
くっきりと輪を描くナチュラルな毛色の枠はベージュに茶やグレーのすじを揺らしてなお白く、光の回廊のように明るく見えます。小さな4つの方形の２つは茜の空を、もう２つは昼の草原の緑を浮かべ、３頭のヤギの歩く姿に時の奥行きを感じさせます。
毛足は一本ずつの巻きをよく残し、たっぷりと詰んで立ち上がっています。押し合いながら上を向いた糸はほっこりと充実した厚みを生み、触れると腰のある、安定したボリュームを感じます。表面に指を立てるとむにゅりと沈んで指先を埋め、手のひらで押してみるとしっかりとした奥行きにやんわりと押し返されます。