どこまでも深い水の底までの青みが霧のように厚く重なる濃い水色は、明るい日差しに一転、光に透かした色ガラスのように繊細な明るさに満たされます。不思議な透明感を潜める夜の藍に挟まれて、幾層もの淡い色味を重ねる青と緑はある人には緑にしか見えず、別の人には藻の色を透かす池の水を思わせるように、渋みも黄色みも色むらの抑揚も豊かに溶け込ませています。
濃淡の澄んだ青みに濁りを含んだブルーグレー、底に広がるほの渋い緑はそれぞれに混ざり合い、重なり合いながら霧めく流れを揺蕩わせます。ふわりと光を受け止める染めむらの淡い糸色はいちめんに静かに浮き沈みしながら、上の夜との境目で反射する雲のような、きらりと眩しい輝きを放っています。
静かな景色には８頭のヤギが散らばり、鮮やかな赤や黄色をきらめかせています。よく似た形ながらも個性を感じるヤギたちの中で、明るい空の右上で駆けるひとまわり小さなヤギが何とも愛らしく目に留まります。