濃い藍をくっきりと広げるスマートな長方形に、ぽつぽつと3つの列を連ねる植物と赤いヤギ。なめらかな背景の中で赤いモチーフは鮮やかなコントラストを散りばめ、そこここに配された白や黄がちらりと明るさをきらめかせています。
よく染まった藍はときに白っぽい染めむらをふわりと抱き込み、またときには黒っぽいほどに深いこげ茶に浸透して、細やかな濃淡の段階を入り混ぜています。
深い藍のほのかなグラデーションに見える色彩は歩きながら角度を変え、遠ざかりながら眺めてみると、静かだった藍に光のさざ波が立ち、紺の縞やすじ模様が現れ、かと思えば南国の海のはらりと明るい水色が浮き沈みする、刻々と変わる表情の変化に驚かされます。
毛足はそれぞれのまとまりをよく残し、密集して押し合いながら立ち上がっています。腰のある毛足は縦になってほっこりとした弾力を生み、ボリュームのある落ち着いた厚みを形成しています。