染めていない羊毛の明るいベージュの中に、赤と青の小さな動物が5匹、ぽつぽつと織り込まれています。ほんのりと黄色みを含んだまろやかな毛色には茶やこげ茶の繊維がちらりと混ざり、またそこここに凝って、淡いグレーの抑揚を浮かべています。
毛足はもこもこと太く、手紡ぎらしくくるりと丸まって刈り込みを逃れていた糸が後からぴょこぴょこ長く飛び出していたのを、何本も見つけてカットしました。上を向いて立ち上がった糸の表面を押すとふっこりと沈んで指先を隠し、手のひらをあてると腰のある糸のしっかりとした手ごたえが押し返します。部分によっては床から3cm近くある厚みはころんと丸っこい印象を生み、足を乗せるとたっぷりとしたやわらかなボリュームを感じます。