静かな色むらの流れるクリーム色の地に、4匹の小さな羊が織り込まれています。染めていない羊毛の色そのままの糸は黄色みの中に茶やこげ茶の繊維を含み、時に集まってすじを描き、時に混ざり込んでほんのりと色調を変化させます。中央付近には薄黄の糸とココア色の糸が2つの層をつくり、それぞれに淡い茶とグレーの帯となって仄かにたなびいています。

ふっこりと太めの糸は部分によってはほぼ真上を向いてつんと立ち、ぽそぽそとした毛並みを形作っています。表面を押すと長い毛足の間にふこりと指先が沈みますが、手のひらをあてると一本一本の糸の「腰」がしっかりとした手ごたえを返し、ふさりとやわらかな手触りなのに思うほどへこみません。