ふっくらとなめらかな緑の大地いっぱいに、よちよちと歩く小さなヤギやヒツジの群れ。赤、白、黄の配色を入れ替えて思い思いの毛色をまとったヤギたちは、時折りちょっと後ろを振り向きながら皆同じ方向に向かっています。穏やかな緑はかすかな青みとほの明るい枯れ葉色を入り混ぜ、霧めいたグラデーションを静かにたなびかせています。
たっぷりと詰められた毛足は押し合いながらほぼ真上を向いて、表面に粒のように顔を出しています。長い糸は密集して腰のある弾力を生み、表面を撫でてみると驚くほどしっかりとした手ごたえに支えられ、押しても強いクッションのようにしっとりとへこんでまた戻ります。指を立てると深い奥行きに「むにゅ」と指先が隠れ、部分によっては床から3cm近くある厚みは足踏みしても座っても床の硬さを通しません。