* ペルシャ絨毯 * | ||||||||||||||
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![]() 雪の結晶のような優美な花のメダリオンを浮かべ、ゆったりと広がる赤い楕円を大小の花々で埋めるデザインは、シンプルな構成を生い茂る花や葉の多様な形と何とも細やかな造形で豊かに彩り尽くしています。 愛らしい小花を連ねる枠模様は爽やかにもほの濃い青と茶ベージュで華やかな色みの端をほんのりと押さえています。その内側の僅かに明るいコーナー模様、幾重にも花びらを重ねるメダリオンをはじめとし、ファンデーションカラーのように僅かずつ異なる数種のベージュは、茶ベージュの影にミントグリーンの輪郭線、そして細くきらめくシルクの白が奥行きと繊細な花の内部を描き出しています。 1平方センチあたり約42目という驚くほどの緻密な織りはナイン産絨毯の中で「6LA(シシュラ)」と呼ばれるもので、縦糸に細いコットンを使用して密に張り詰め、非常に細やかに織り上げられています。濃く詰んだ毛足は短く刈り込まれながらも充実した密度がほんのりと弾力を与え、指で押すとしっとりと押し沈みます。全体にはしなやかな中に腰を感じる質感で、薄手にも足を乗せると仄かな柔らかみが伝わります。 玄関マットや飾りラグとしてはもちろん、壁に飾ってタペストリーとしても見ごたえのある一枚。揺らめく赤が優美な、美しく繊細なナイン産ペルシャ絨毯です。 |
ガラスのように艶やかで、ワインのようになめらかな赤。ブルーグレーに照らされ、絡み合う花々の優美なシルエットに埋められながらしっとりと揺蕩う赤は眺めるほどに、ルビーに紅、朱にマゼンダと、光の悪戯のようにゆらりと流れ、水めいて揺蕩います。
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〜 ナイン産ペルシャ絨毯について 〜
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* ナインの町 *
ナインとは、イランの中央部、イスファハーン北東部の砂漠に囲まれたオアシス都市です。3千年以上の歴史を持つナインの町には、サファビー朝時代のものを中心に数々のすばらしい建築物が残り、町の中心となるモスクは1,400年前に建てられたものだといいます。
* ナインの絨毯産業 *
昔は手織りの男性用マントの名産地として広く知られていたナインですが、機械織り布の普及とマント自体の需要が減るにつれ、1920年ごろから絨毯産業にに力を入れるようになりました。手織りマントの繊細な織りに長けていたナインの人々はすぐに絨毯織りにも熟練し、高品質で美しいペルシャ絨毯の産地として世界的名声を誇るようになりました。
* ナイン産ペルシャ絨毯の特徴 *
ナイン産絨毯の大きな特徴のひとつは、砂漠の都市ならではの澄んだ明るい色合いです。嫌味のないやさしく落ち着いた色彩がナイン絨毯の垢抜けた美しさとして広く愛でられるようになりました。モチーフはイスファハーンの影響を色濃く受け、伝統的なメダリオンやシャーアッバース文様(花の断面図をモチーフ化したもの)が多く見られます。素材には平均的なペルシャ絨毯よりも良質で柔らかなウールが用いられ、シルク絨毯よりもウール絨毯、とりわけウールにシルクを織り交ぜたものが際立っています。