* ペルシャ絨毯 * | ||||||||||||||
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![]() フィールドの端まで大輪のメダリオンが花開くように見える見事なオールオーバー模様のこの絨毯もまた、一面に織り込まれたシルク糸硬質なきらめきに照らされています。白、または淡い水色のシルク糸は網目模様の内側をすべて縁取り、花や葉、蔓模様の要所やときに花びら全体に織り込まれ、ウールとは異質な光沢が冴え冴えとした明るさを放っています。 織りの細かさの段階は「9LA」と呼ばれるものですが、その中でも細めの糸を使用して1平方センチあたり約36目の細かさで精密に織りあげられています。厚みは床から毛足の先まで7ミリ程度で、すっきりと薄手ですが歩くとほのかなクッションが伝わります。 しっかりと腰のある毛足は詰んで上を向いて立ち上がり、なめらかに馴染みあった毛並みを指で押すとやんわりとした弾力に押し返されます。使い始めから遊び毛はほとんど見られず、年間を通してさっぱりとした使い心地が楽しめます。 玄関マットや足置きマットをはじめ、美しい部分ラグとして。凛とした表情が結晶のように美しい、ナインのペルシャ絨毯です |
いちめんに織り地を埋める大輪の花は藍色の夜に光を浮かべ、澄んだ青みで照らしているようです。
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〜 ナイン産ペルシャ絨毯について 〜
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* ナインの町 *
ナインとは、イランの中央部、イスファハーン北東部の砂漠に囲まれたオアシス都市です。3千年以上の歴史を持つナインの町には、サファビー朝時代のものを中心に数々のすばらしい建築物が残り、町の中心となるモスクは1,400年前に建てられたものだといいます。
* ナインの絨毯産業 *
昔は手織りの男性用マントの名産地として広く知られていたナインですが、機械織り布の普及とマント自体の需要が減るにつれ、1920年ごろから絨毯産業にに力を入れるようになりました。手織りマントの繊細な織りに長けていたナインの人々はすぐに絨毯織りにも熟練し、高品質で美しいペルシャ絨毯の産地として世界的名声を誇るようになりました。
* ナイン産ペルシャ絨毯の特徴 *
ナイン産絨毯の大きな特徴のひとつは、砂漠の都市ならではの澄んだ明るい色合いです。嫌味のないやさしく落ち着いた色彩がナイン絨毯の垢抜けた美しさとして広く愛でられるようになりました。モチーフはイスファハーンの影響を色濃く受け、伝統的なメダリオンやシャーアッバース文様(花の断面図をモチーフ化したもの)が多く見られます。素材には平均的なペルシャ絨毯よりも良質で柔らかなウールが用いられ、シルク絨毯よりもウール絨毯、とりわけウールにシルクを織り交ぜたものが際立っています。