19世紀末のヨーロッパ美術を連想させる、とてもエレガントなガズビン地方のオールドキリムです。
白地にくっきりと描かれたこげ茶色の輪郭模様に、ほんのり色むらをたたえた色彩がステンドグラスのようにはめ込まれています。3、40年ほど前に織られたというもので、地の白い部分にはよく見るとうっすらとした色にじみや汚れが全体に見られますが、くっきりとしたモチーフのために一見してもあまり気付きません。きれいにそろった丁寧な織りで、目はよく押されて締まっています。色の変わる部分はつなぎ織りで留められ、スリット（モチーフの間のすき間）はありません。穴などは特になく、上下の端のみ傷みのため纏りなおしてありますが、当初の形をほぼ留めています。

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