オレンジとも珊瑚色ともつかない「銅色」を赤とピンクがくるりと囲む、美しい色遊びのようなギャッベ絨毯。染め色に羊の毛色本来の茶やこげ茶が透け出す中央の色は、濃く淡く細かな抑揚を繰り返す朱に毛色の渋みが重なり、明るさと濁りが同居する不思議な面持ちを広げています。光にかざすとある方向からは絵の具に白を垂らしたような陰りのないまろやかなパステルカラーが眺められ、また別の方向では毛の流れがビロードのようにじんわりと照り映えて、ふわりと掴みどころのない透明感のある色彩が顔を出します。
一本ずつのまとまりをよく残した毛足はすっきりと短めに刈り込まれ、ほこほこと存在感のある毛足がしっかりとした手触りを立ち上げています。