染めていない自然な淡色の糸が細やかに重ねられた薄茶ともグレーともつかないふわりとした地色に、ヤギや立木が遠景のように浮かんでいます。周りを囲む明るいベージュはこれも羊の毛色そのままで、交互に並んだえんじと水色の花模様にレース飾りのように縁取られています。 毛足は細めで斜め上を向いてたっぷりと詰まり、表面を指で押すと弾力を感じさせながらふかりと沈み、滑らかな撫で心地に毛の密度を感じます。 繊細な色遣いの中にモチーフの一部、下の方の両手を広げた2人の女の子模様にだけ鮮やかな黄色の科学染めの糸が使われ、ほんのりと周囲を照らして織り手の遊び心を覗かせています。