まろやかに黄色みを帯びたクリーム色に、明るい赤で5匹のヒツジが織り込まれています。ほのかにブロンドに染まった糸があちこちに混ざる地には羊の毛色による茶やこげ茶の自然な色むらが一面に流れ、眺める角度によっては淡くかすれるすじ模様のように浮かんで見えます。織られたまま補正されていない左右の脇は毛足と同じ白と赤の糸でかがられ、モチーフとシンプルな調和を見せています。 毛足はふかりと先がほぐれて柔らかに下方向に流れ、指で押すと重なる糸の厚みを感じさせながらやんわりと少し沈んで戻ります。昔ながらの素朴なやさしさを感じる、ギャッベらしい味わいの生きた一枚です。