ふわりと明るさを含んだ赤に、いちめんの花。花びらを思わせるように数色の糸で織り分けられた花冠ははじめは段毎に敷き詰めるように並び、次第にその間隔を広げて中央からは雪のように舞い降りています。透明感のある地色は花の背後に空間を感じさせ、ザクロの実のようなしっとりとした赤は角度によっては光にかざしたように明るく軽やかです。細めの毛足は先が半分ばらけ、刈り込みの素朴な起伏を浮かべて少し上向きながら流れています。厚みはそれほどありませんが、撫でるとやわらかな毛足が手にあたり、歩くと足の下でふさりと少し沈みます。

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