ゆったりと積まれた色の層に細い縞模様が重ねられ、細かな連続模様がちらちらと泳いでいます。洗い流されたようなやわらかな色彩が美しい、バルーチ族のオールドキリムです。
中細の糸でしっかりと織り詰められた地は非常に丈夫で、持ち上げるとサイズに見合わないような糸の重みとしなやかさを感じます。良く使い込まれてぺたんと織り目が締まり、表面はさらりとした手触りです。当初はかなり鮮やかだったはずの色彩は時とともに熟成したようにまろやかに変化し、殊に昔は藍だった部分の薄緑ともブルーグレーともつかない透明な色彩が何とも言えません。玄関マットや部分ラグ、タペストリーとしても面白い一枚です。

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