* キリム(スマック織り) * | ||||||||||||||||
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糸の太さから比較的ざっくりと見える織り目はひとつひとつしっかりと織り詰められ、丈夫な質感を生み出しています。モチーフはそれぞれに輪郭を太くくっきりと描き出され、濃い背景色の中でユニークな形を明快に浮かび上がらせています。家庭織り特有の大らかさをまとう文様はそこここに唐突な変化や気まぐれを見せ、歪んだひし形や思いついたような付け足しに織り手の心を垣間見るようです。 全体の輪郭は下に向かって釣り鐘型に少し広がり、横幅は上端で約132cm、下の方の最大部では約139cmとなっています。上下2辺の端には仕入れ・洗浄後に人工皮の帯を取り付け、敷物としてしっかりとより落ち着きやすくなっています。 リビングにはもちろん、テーブルや座卓の足元などにも。インパクトのあるデザインを細部の繊細な色使いが美しく仕上げた、魅力的なスマックキリムです。 |
濃くぱっちりとした藍とえんじの組み模様を、ちらちらと縁どる白い線のきらめき。深く重厚な染色のコントラストは明るく映える羊毛色の矢模様に華やかに縁どられ、モチーフの中に散らばるオレンジが白と共に艶やかな光を織り込みます。 イラン東北部、シャフレバーバクの町で織られたスマックキリムです。鮮やかな色彩とまだ踏み込まれていない織り目は未使用の新しいキリムそのものですが、織られてからはすでに10年ほど経っているそうで、キリムという織物に流れる時間の緩やかさを感じさせられます。 スマックとは、平織りの縦糸に追加の色糸を巻きつけながらモチーフを織り出す技法です。非常に手間と技術を要する技法ですが、織りあがりは繊細で美しく、またとても丈夫です。色糸が追加されるため織り地に厚みが生まれ、表面は均一でモチーフの間の隙間(スリット)はまったくありません。 このキリムは細めのウールのたて糸にやわらかく太めの色糸を使用して織り上げられ、ほってりとした厚みと重量感のある織り地、さらりとした手触りに仕上げられています。
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