ふわりと周囲を照らして映える明るいレモン色の輝きは、別の時には濃く静かな、黄金とからし色のグラデーションに変わっています。よく見れば濃淡の黄にほの渋いほどに墨色を散らす地色はその抑揚と層になった色調の変化が実際よりもより艶やかに、不思議な輝きを含んで見えます。
赤、青、緑と羊毛の白で織り込まれたモチーフは上下にヤギや方形をゆったりと並べ、くっきりと刻まれた3本線の列は丸く素朴な花々に気ままに囲まれているのですが、よく見ると上下左右の対称を意識した、計算された図案であることに気が付きます。