空気の泡がふわりと混ざる清涼な青の流れに、静かにたたずむ5頭の羊。艶やかな藍から空色の晴れた明るさへのグラデーションは染めむらの粒のような白さにぼかされ、ちらちらときらめくすじの重なりに爽やかな透明感を揺らしています。
やわらかな背景の中に羊たちの黄の糸はなめらかに映え、ぽっそりと素朴な輪郭も赤いつぶらな瞳も不思議な存在感をたたえています。
一本ずつの巻きをよく残した毛足はたっぷりと詰んで立ち上がり、押し合いながら分厚い毛並みを支えています。部分によってはほぼ垂直を向いた毛足は密集したボリュームでしっかりとした腰をたたえ、指を立てるとふこりとへこんで指先を包みますが、手のひらをあててもしっとりと押し返されて思うほどに沈みません。