本文へスキップ

2.更紗〜インドから世界へ

木綿の原産地、インド

更紗の原産地は、インドであると言われています。

木綿という布は絹や他の繊維に比べて染色が容易で発色もよい為、美しい模様を描くのに非常に適した素材といわれるのですが、インドはこの木綿の原産地のひとつといわれています。紀元前3千年ごろにはすでに綿織物が作られ、手書き更紗が染められ始めたということです。

古代エジプト、ローマの貴族たちもインド更紗を愛用していたという話ですから、その歴史の深さがおもんばかられますね。

初期の更紗は「カラムカリ(ペルシャ語の「ガラムカール」ですね。)と呼ばれ、ペンのように先の細いもので部分的にろうけつ染めが使われていました。現在も手書き技法、木版ブロックプリントを併用した技法、ろうけつ染めなどがあり、特に近年では木版染めが盛んになっています。

インドから、世界へ

この、インドで発祥した更紗は西へ東へ、世界中に運ばれてそれぞれの地域で独自の更紗を生むことになりました。

西方へはまずお隣のペルシャ、そして大航海時代を経て何とヨーロッパにも広がります。「チンツ」の名で知られるイギリス更紗、ペルシャで技術を学んだと言われるフランスのジューイ更紗、華やかでかわいらしいドイツ更紗、そしてアジア各国の更紗をその船で持ち帰って世界に伝授した国、オランダの更紗など、現代の欧風花模様プリントのきっかけともなっていったのです。

そして東方では、仏教色強いタイのシャム更紗、「バティック」の名前で日本でもよく知られるジャワ更紗、洗練された中国更紗、そして日本の和更紗などが生まれました。

文様も手法もそれぞれの国でさらに独自の発展を続けた更紗はそれぞれ一見まったく別の布のように見えるのですが、どことなくかもし出される「異国情緒」、そしていちめんに染め上げられる密度濃い文様という特徴は、更紗の更紗たるゆえんをなお残しているといえるでしょう。


更紗の話


→ペルシャ更紗の販売ページへ