遊牧民の生活の様子を子供の絵のようなあどけないタッチで織り込めたギャッベキリム。子供や動物などのモチーフにはパイルを結んだ絨毯織りが用いられ、そこだけフカフカと毛足があるのが特徴です。

ほがらなかモチーフをのせた黄とも緑ともつかない大地の色はやわらかな赤ピンクの枠模様に囲まれて明るく映え、黄と黄緑、ほのかな縞状の薄オレンジを、部分部分で繊細にその配合を変えながら、淡く美しい色の変化を見せています。モチーフは大きめで生き生きと愛らしく、空に向けて葉を広げた植物や、芽を出したばかりのように並んで咲く草花に豊かな大地の恵みを感じます。賑やかな中央のモチーフはヤギや植物がゆったりと等間隔で並ぶ端模様に囲まれ、テンポを抑えたのどかさが全体を包んでいます。

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