糸色を斜めに切り替えていくモチーフの構成は平織に出来るスリット(隙間)を最小限に抑え、織りの密度とともに丈夫で安定した、強い織り地に仕上げています。 オレンジと赤、そして藍の多くは織り上がり当初の鮮やかさをよく保っていますが、モチーフの一部と枠模様のほとんどを占めていた濃い紫は面影もないほどにはらりと褪せ、羊毛のこげ茶とともに静かな、水彩めいた淡く幻想的な色むらを漂わせています。 織り地は全体にほってりとしたほどよい厚みがあり、表面の手触りはよくこなれてさらりとしています。端をつかんで持ち上げてみるとサイズにしては落ち着いた糸の重みが手に伝わり、ぱたりと床によく馴染みます。輪郭は釣り鐘のように下の方で丸く膨れ、横幅は最大で約69cm、最小約62cmとなっています。 玄関マットにはもちろん、椅子の足元や部分ラグとして。星の響きが聞こえてきそうな、ロマンチックなガズビンのオールドキリムです。 |
ひそやかに瞬く青い星模様に囲まれて、鮮やかな色の波を揺らす赤、青、オレンジの重なり。流れてゆく星の軌跡にも水面に刻まれた波動にも思える三角模様の繰り返しは下の端を見ると、枠模様と同じ小さな星のモチーフが幾重にも囲まれて、無限の輝きを広げていることが分かります。
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