* ギャッベ絨毯 (ファイン) *
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細い毛足は一本ずつのまとまりをよく残し、きっちりと詰んだ充実した毛並みを湛えています。1センチ平方辺り15目前後のペースで精密に織り詰められた糸は、密集して押し合いながら立ち上がり、小気味のいい弾力を生んでいます。表面に指をたてるとくにゅりとへこんですぐ戻り、手のひらをあてるとほっこりと上を向いた毛並みの強い一体感に支えられます。毛足はヤギや植物の細やかな輪郭を切り出しながらすっきりと刈り込まれていますが、密度の生むボリュームは歩いても座ってもやんわりとしたクッションを感じさせます。 左右の端は黒と茶ベージュの糸で縞々にかがられ、四つ端にはカラフルなボンボンが飾られています。上下の端は平織部分を表側に畳んで毛足の際で縫い止め、左右2辺の裏面には人工皮の帯が取り付けられています。 リビングやダイニングに、ゆったりと敷きこめる幅のある一枚。悠久の時の流れを眺めるような、ロマンを感じるギャッベ絨毯です。 |
濃く細い光のすじが艶々ときらめく夜に、暖かな黄にこげ茶が色濃い流れを揺らす昼。ゆったりと入れ替わる濃淡の層にはそれぞれに、密やかに枝を照らす結晶のような木立と、東へ東へと歩き続けるヤギたちの列が蜃気楼のように浮かんでいます。
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【ファイン・ギャッベ絨毯について】 細かなモチーフに、つやの良いなめらかな毛並み。ふかふかとした厚みが身上の通常のギャッベに比べ、見た目も質感も繊細なこの種のギャッベは、いわゆる「ファイン・ギャッベ(リーズバフ)」と呼ばれるものです。 ファイン・ギャッベには細めの上質なウールが使用され、織りの密度は通常のギャッベの4〜5倍以上と細かく、ペルシャ絨毯に近いものです。通常のギャッベでは1つの織り目に2本の糸を織り込むのに対し、1つの目に対し1本の糸を縛るためより細かな仕上がりとなり、手間もかかるため仕入価格も3倍程度となっています。日本では販売会社によって名前のつけられたものをよく見かけますが、現地の仕入の時点では単に「細かい織り(リーズバフ)」と呼ばれます。 毛の一本一本が目立たない均一な表面はするりとなめらかで、細かなモチーフがきれいに浮かび上がります。モチーフの輪郭を美しく出すために多くは薄めに刈り込まれますが、毛足が密なので歩くとやわらかな弾力があり、軽やかな見た目からは思いがけないほど重く、床に吸い付くように収まります。全体の質感はしなやかで、薄手のものはくにゃりと折りたためるほどです。薄いものはもとより厚手のタイプでも遊び毛は非常に少なく、使い始めからほとんど気になりません。ギャッベの豊かな色彩と自由なモチーフ、ペルシャ絨毯の繊細さと上質さという、両方の特徴を併せ持った絨毯です。 |
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