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*ギャッベの話*

- 遊牧民とギャッベ -

ギャッベの話〜遊牧民とギャッベ

ギャッベの創始者は、イランのファルス地方に住むカシュガイ族などの遊牧民です。ファルス地方の遊牧民の暮らしとは、ヤギや羊を育て飼い、その餌となる緑を求めて砂漠とザクロス山脈の山の上とを家財道具のテントを運んで行ったり来たりしながら生活するというもの。そんな彼らにとって一番大事な財産とは、お金でも宝石でもなく生活を支えてくれるヤギや羊、そしてその毛から作ったキリムや絨毯なのです。

ギャッベを作るのは、家族総出の仕事です。男たちがヒツジの毛を刈り、川で洗い清め、次に女たちがその毛を手でやわらかくつむいでいく。つむぎ終わった糸を、今度はザクロやブドウやロナスの葉を使って男たちが染めあげ、母親から教わりながら娘たちが織り上げます。織りあがったギャッベを男たちが洗い干しあげると、なんとあざやかなこと・・・!

娘たちは、結婚する際にキリムと同じくギャッベを織り上げ、婚家へ持って行くのが慣わしとなっています。遊牧民の社会の「結婚」とは、二つの親族を結びつける大切なもの。この花嫁の織り上げるギャッベにはその娘のみならず、家族の評価がかかってくるというから、さあ大変です。普段はなんだか大雑把な織り方をする娘もこのときばかりは一生懸命、繊細な繊細なギャッベを織ったりするといいますから、その心うちが推し量られて、なんとも面白いものです。

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